宝暦十(1760)庚辰年九月二十一日、江戸本所割下水の地に誕生した男児が、長じて稀代のアーティストとして世界に知られた北斎その人です。 幼少年期を経て、勝川春章門に入り、十数年を過ごした北斎は、三十代半ば、琳派の町絵師・俵屋宗理を襲名します。 浮世絵師と一線を画す境遇のなかで、北斎は宗理様式と呼ばれる新風を起こします。 今回の館蔵名品展では、宗理様式に始まり、晩年期の森羅万象描かざるはなき画境に至るまで、北斎、戴斗、為一、そして卍落款の秘蔵肉筆画をご覧いただけます。